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傾向と対策・その3 スクールカウンセリング

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この科目、夏期の出題は5章と6章が土日でそれぞれ1問ずつ、逆に、7章は、土曜2問、日曜3問、合計5問と、章によって出題数に偏りがありました。「新傾向問題」は、その7章の問題で、放送大学にしてはめずらしく、土日ともに同じ問題が出題され、やや難のある保育カウンセラーの問題でした。
出題のされ方は、章によって出題テーマがほぼ決まっていて、それに対応する多様な選択肢が組み合わされて出題されます。詳しくは、昨夏の傾向と対策をご参照下さい。
今期は、「使い回しモード」全開ということで、それぞれの章3問を一押しの出題予想としてお示しします。

第1章
予想問題1 日本の小・中・高等学校におけるスクールカウンセリングについて,適切なものを選べ。
①日本で第二次大戦後導入されたカウンセリングのアプローチは,当初から行動療法が主流であった。
②日本のスクールカウンセラー配置事業は,全国で均一に発展してきた。
③ スクールカウンセラーが行うコンサルテーションとは,もっぱら保護者が自分の問題について相談することを言う。
④ 教師は子どもに理解させようとするのに対し,スクールカウンセラーは子どもを理解しようとする。

予想問題2 日本の小・中・高等学校におけるスクールカウンセリングについて,適切なものを選べ。
①日本のスクールカウンセリング事業は,平成 7 年度から全国で始まった。
② 戦後,主にイギリスの心理カウンセリングが日本に導入された。
③ スクールカウンセラーの業務において,事業開始直後からもっとも注目されたのは非行への対応であった。
④ スクールカウンセラーは,生徒の自殺未遂が発生したときには,必ず勤務先の都道府県以外のスクールカウンセラーと連携しなければならない。


予想問題3 日本の小・中・高等学校におけるスクールカウンセリングについて,適切なものを選べ。
① 日本では,いくつかの国立大学に学生相談施設が設置され始めてから約 10 年後に,公立の小・中・高等学校にもスクールカウンセラーが配置されるようになった。
② 2014 年度には,スクールカウンセラーが週二日以上配置されている中学校がある。
③ ロジャース・Cは,カウンセリングと心理療法の間に厳然とした区別があるとし,日本のスクールカウンセラーもその考え方を踏襲するよう臨床心理士会から指示がある。
④ すべての行政機関が,「スクールカウンセラーは全国的に配置されているので地域の文化や学校の状況の違いには関係なく同じ活動をすべきである」という通達を出している。



正答
予想問題1 ④
予想問題2 ①
予想問題3 ②



第2章
予想問題1 教師とスクールカウンセラーとの連携について,正しいものを選べ。
① スクールカウンセラーの業務の支障になるので,教師自身の悩みは相談できない。
② 教師とスクールカウンセラーは同じ視点から,児童生徒を理解しなくてはならない。
③ スクールカウンセラーによるカウンセリングを受けている児童生徒に対しても,教師はそれまでと同様に関わり続けるべきである。
④ 「集団守秘義務」を負うのはスクールカウンセラーだけである。


予想問題2 教師とスクールカウンセラーとの連携について,正しいものを選べ。
① カウンセリングは高度な専門的技術を必要とするので,「相談する」などの気安い言葉で児童生徒や保護者に勧めてはならない。
② スクールカウンセラーは医師ではないので,教師のメンタルサポートはできない。
③ 自傷他害の危険など、緊急の場合には,スクールカウンセラーは教師に知り得た情報を伝えることができる。
④ 子どもがイライラしているときはうつ状態とは言えない。


予想問題3 教師とスクールカウンセラーとの連携について,正しいものを選べ。
① スクールカウンセラーは教育の専門家ではないので、指導で行き詰ったときに相談しても助けにならない。
② 子どものうつ状態はイライラや自己否定的な行動で表出されることも多い。
③ 生徒が危険な暴力犯罪に巻き込まれそうなときにも,守秘義務があるスクールカウンセラーには教師にその情報を伝えることはできない。
④ 教師は、スクールカウンセラーに任せた児童生徒にはできるだけ関わらないようにすべきである。


正答
予想問題1 ③
予想問題2 ③
予想問題3 ②



第3章
予想問題1 学校で重大な事件・事故が生じた後の対応について,正しいものを選べ。
① 幼い子は心的外傷体験をすぐに忘れるので,その後の人生への影響は少ない。
② PTSDの症状は精神的に脆弱な人にだけに生じる。
③ 緊急事態では大人が落ち着いて対処することが,子どもの心の安定を促す。
④ 緊急事態での反応はみな似ているので,決められたマニュアルに従うのがよい。


予想問題2 学校で重大な事件・事故が起きた後の対応について,正しいものを選べ。
① 心的外傷体験を表出することが傷口の消毒作用を持つので,できるだけ早い段階で全員から詳しく話を聞くのがよい。
② 緊急事態における児童・生徒への対応は専門的知識を持つ第三者の支援チームに一任すべきである。
③ 心的外傷体験について話すと傷を深くするので,話をしたがる児童生徒がいたときには話をさせないように配慮する。
④ 事故や災害などに一緒に遭遇した者同士がその体験を語り合うことが,心の傷の回復に役立つことがある。


予想問題3 学校で重大な事件・事故が生じた後の対応について,正しいものを選べ。
① 子どもたちの心は不安定なので,起きている緊急事態について何も知らせないほうがよい。
② 過酷な状況においても正常な心の状態を維持できるのは,特殊な訓練を受けた人だ
けである。
③ 緊急事態では心の健康を損ないやすいので,全員面談やアンケート調査で早急に心の集団検診を行うべきである。
④ 軽度なPTSD(外傷後ストレス障害)の症状は、危険回避の学習と捉えられる側面もある。



正答
予想問題1 ③
予想問題2 ④
予想問題3 ④



第4章
予想問題1 不登校への対応について、適切なものを選べ。
① 教室以外の居場所への登校も認めることがしばしば有効である。
② 不登校の児童生徒の学力確保を最優先し、登校につなげるよう努めるべきである。
③ 児童相談所などの専門家に任せて教員の関与は最小限にとどめることが望ましい。
④ 校務分掌にとらわれず,いつでも担任が関わりの中心にならなければならない。

予想問題2 不登校の子どもたちへの関わりとして、正しいものを選べ。
① 子どもが抱えている歴史を理解するために,必ず保護者から生育歴を聴き取る。
② 怠学傾向にある子どもに対して、不登校の視点で捉え直すことも必要である。
③ 不登校は家庭環境との関連が深いので、常に家族関係に踏み込んだ指導を行う。
④ 不登校生徒へは教育相談担当がいつも中心となり、担任はそれを補佐する。


予想問題3 最近の不登校の変化について、正しいものを選べ。
① 発達障害との関連が疑われるケースは減ってきている。
② 非行との境界線が不明確になってきている。
③ 神経症と関連した不登校の割合が増えてきている。
④ 困難な家庭環境を背景に持つケースはあまり見られなくなった。



正答
予想問題1 ①
予想問題2 ②
予想問題3 ②



第5章
予想問題1 発達障害と関連した児童生徒に対する対応について,適切なものを選べ。
① 発達障害の可能性がある子どもに対して関わっていくためには,知能検査や発達検査のデータが必要不可欠である。
② 発達障害を持っている子どもが他の行動上の問題を示す場合には,まず,障害に起因する問題を解決しなければ,他の問題も解決しない。
③ 医療機関などの専門機関による発達障害の診断を保護者に勧める場合には,保護者の抵抗感や気持ちの揺れに配慮することが必須である。
④ 多動性や衝動性を示す子どもは,常にその背後に発達障害を抱えていると理解することが重要である。


予想問題2 発達障害と関連した児童生徒に対する対応について,適切なものを選べ。
① 発達障害の可能性がある子どもの指導には,知能検査や発達検査のデータが必要不可欠である。
②多動性や衝動性を示す子どもは誰でも発達障害を抱えているととらえることが重要である。
③発達障害を見出すための健診体制などが整ってきているので,中学生になるまで発達障害に気づかれないままということはほとんどない。
④保護者に専門機関による発達障害の診断を勧める場合には,保護者の抵抗感や気持ちの揺れに配慮する必要がある。


予想問題3 自閉性障害の特徴について、適切でないものを選べ。
① 対人的相互反応における質的な障害
② 家族関係の質的な特徴
③ コミュニケーションの質的な障害
④ 興味関心が狭く特定のものにこだわる傾向


正答
予想問題1 ③
予想問題2 ④
予想問題3 ②



第6章
予想問題1  保護者への対応について、次の中から正しいものを選べ。
① 対応が難しい思われる保護者の場合は、常に専門機関に対応をゆだねるのがよい。
②対応が困難な保護者は、実は保護者自身が困難な状況にあることの現れとも言える。
③学校教育が責任を負うのは、子どもの教育においてのみであり、保護者が抱える問題には立ち入るべきではない。
④保護者には常に理性的に対応し、保護者にも理性的な対応を強く求めるべきである。

予想問題2 保護者への対応について、次の中から正しいものを選べ。
① 保護者自身が自分が育ってくる過程で辛い経験をしていたとしても、今ではそれを忘れている場合が多い。
② 対応が困難な保護者は、応対窓口を担任一人にしぼったほうが混乱を避けられる。
③ 保護者自身、子どもの頃にいじめ被害にあった辛い経験があっても、おとなの今ではそれが残っていない場合が多い。
④ 保護者自身の子ども時代のつらい体験が,強い怒りのような形で現在の人間関係の中に出てくることがある。


予想問題3 保護者への関わりについて,適切なものを選べ。
① 保護者への対応は,「今」が大事で、保護者の過去の歴史については考えないほうがよい。
② 保護者は,「大人」なので,学校が考える常識に合わせてもらうことが大切である。
③ 保護者が抱えている困難な事情にできるだけ寄り添って考えていくことが大切である。
④ 対応が難しい保護者の多くは精神疾患を抱えているので,専門家の手助けが必要である。


正答
予想問題1 ②
予想問題2 ④
予想問題3 ③



第7章
予想問題1 保育カウンセラーの業務について,正しいものを選べ。
① 保育カウンセラーは地域の小学校と連携をはかり,就学後も児童の相談に応じる。
② 保育カウンセラーは地域の療育機関と連携をはかり,幼児の発達支援を個別に行う。
③ 保育カウンセラーは地域の医療機関と連携をはかり,幼児の健康の維持向上に努める。
④ 保育カウンセラーは地域の保護者に対しても,子育てに関する専門的支援を行うことがある。

予想問題2 幼稚園と関連機関との連携について,適当でないものを選べ。
① 幼稚園は、地域の小学校との連携し、教育内容の相互理解と改善に努める。
② 幼稚園は地域の療育機関との連携し、幼児の発達の相互理解に努める。
③ 幼稚園は地域の医療機関との連携し、幼児の健康面のケアに努める。
④ 幼稚園は地域の大学との連携し、必要な学生ボランティアの確保に努める。


予想問題3 保育者と保育カウンセラーとの連携について,正しいものを選べ。
① 保育者は保育カウンセラーの守秘義務を尊重し,保護者の相談内容には関与しない。
② 保育者は保育カウンセラーと協働して保育の質の向上を目指す。
③ 保育者は保育カウンセラー指導を受けて保育を行う。
④ 保育者は保育の専門家として保育カウンセラーに保育を指導する。


正答
予想問題1 ④
予想問題2 ④
予想問題3 ②



第8章
予想問題1 スクールカウンセリング事業の発展と課題について,正しいものを選べ。
① 伊藤美奈子(2000)によると,調査した学校の60%以上で,教職員がスクールカウンセラーに対して非常に否定的な印象を抱いていた。
② 平成1 8年度に不登校であった児童生徒の追跡調査では,当時,スクールカウンセラーに相談した者は5%に満たなかった。
③ 児童生徒のカウンセリングにおいては,言語以外の媒体でも内界表現ができるように,プレイセラピー的なアプローチが導入されることがある。
④ 子ども時代にいじめの被害に遭った人の割合は,いじめの定義や調査の対象によってかなり異なるが,6割を越えるという調査結果が得られたことはない。

予想問題2 スクールカウンセリング事業の発展と課題について,正しいものを選べ。
① スクールカウンセリングの効果は,不登校やいじめの減少率から,明確に把握できる。
② 文部科学省(2014)は,不登校を「無気力型」「遊び・非行型」「怠学型」の 3 つに類型化している。
③ いじめの被害が訴えられたケースでは,スクールカウンセラーはもっぱら被害者のケアにかかわるため,加害者とされた子どもに会うことはない。
④ スクールカウンセラーが教師と共に行う自殺予防の取り組みとしては,子どもたちにストレスを緩和する方法を教えたり,危機的な状態になったら周囲の援助を求めるように促したりすることなどが考えられる。

予想問題3 スクールカウンセリング事業の発展と課題について,正しいものを選べ。
① 本間友巳(2001)によると,保護者を対象にスクールカウンセラーの影響を調べたところ,スクールカウンセラーに相談することによって,「子供との関係が良くなった」「先生との関係が良くなった」などといった項目で得点の上昇が認められた。
② 文部科学省による不登校の定義(2000)は,「病気や経済的な理由を除き,心理的,情緒的,身体的,社会的要因・背景により,登校できないもの」であって,「登校できるけれどもしない」子どもは,「怠学」として不登校から除外されている。
③ 公立中学校に勤務するスクールカウンセラーが,校区の小学校に通う生徒やその保護者の相談を受けることは,どの自治体でも原則として禁止されている。
④ いじめや自殺の防止には道徳性や精神性の涵養はまったく役に立たないことが,多くの実験的研究によって検証されている。


正答
予想問題 ③ 
予想問題 ④ 
予想問題 ① 

四択問題征服のヒント④:科目によっては「その道の権威」とか「研究・発展に尽力した人物」について記述した選択肢が出てきます。このスクールカウンセリングに関しては、かつては「河合隼雄」を正解とする問題が良く出題されました。どの科目にも共通して言えるのは、そうした人物がなんちゃらかんちゃら言ったとか、誰それによればなんちゃらかんちゃらである、とかいう選択肢(例えば、教育政策の「経営学者バーナードによれば,組織は『協働行為の体系』であるとされる。」)はおおむね正しい選択肢と考えてよいと思われます。この試験は、教員免許更新のためのものですから、現場で屁の役にも立たない(失礼)えらい人の考えや理論を知っているかどうかなんてはっきり言ってどうでもいいんです。さすがにそこを試すような試験は出さない、というのが今のところの「常識」というもので、そういうたぐいの選択肢が正四択や誤四択の正解選択肢になることはまずない、と考えていいでしょう。


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